もしかしたらアレ

気付いたら闇の中。右往左往して出口を見つける。

シロクマの子供が可愛すぎて思わずフフッ…てなる現象ってなんだっけ?ねえ、なんだっけ?

シロクマの子供の画像を漁ってみる。思わず顔の筋肉が緩みフフッ…となってしまう。ヒトとして正常な反応だ。こんなに可愛らしいシロクマの子供も大人になれば地球上最凶の肉食動物へと変貌するのだから世の中本当に不思議で一杯である。まあ人間だって凶悪犯罪を犯したアノヒトやコノヒトも昔は可愛い赤ん坊だったわけだし似たようなものだったりする。

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シロクマの子供が可愛すぎて思わずフフッ…ってなる現象

度忘れである。まったく思い出せない。そういえばなんていう名前だったっけ。喉元まで出かかっているのにな。吐き気だけ催して嘔吐できないような気持ちの悪い時間が本当に嫌だ。

とりあえず文明の利器スマホを使って手あたり次第に友人知人に訊いてみることにした。しかし期待に反して解答らしい回答は返ってこない。いやいや、そんなはずはない。集団記憶喪失…?別々の人間から同時に同じ記憶が抜け落ちている…。そんなことって、いや、そんなこと…。

脳内を思考が逡巡する。そして私は悟る。そう、この世界がすでに無くなっていたことを。

居ても立っても居られなくなり私は駆け出した。判然としない意識の中、縺れる足をどうにかこうにか前へ前へと動かし続ける。転びそうになりながら、必死にもがくように。

いつしか私は小高い丘の上に立っていた。周りには誰もいない。周りには?誰もいない?それはココだけじゃない。もう世界のどこにも誰もいないんだ。私だってもうこの世界にはいないんだ!

グチャグチャになった感情が涙や鼻水やナニカになって一斉に流れ落ちる。叫びたい想いは嗚咽として吐き出すだけで精一杯だった。