もしかしたらアレ

気付いたら闇の中。右往左往して出口を見つける。

ナナメ電柱とピサの斜塔

ピサの斜塔といえば、「ピサって10回言ってみて」という10回クイズでお馴染みのあの斜塔である。

思えば私は10回クイズにあまりいい思い出がない。この10回クイズはクイズと言っておきながら正解を善としない、なんちゃってクイズの類である。クイズでありながら、回答者は正解をしてはいけないのだ。正しく間違うことこそ10回クイズの真の正解であるのだが、クイズと謡っておきがらこの間違った回答を期待されている状況に、どうにも居心地の悪さを感じてしまう。

しかし、クラスではちょっとした変わり者のCさんだけは10回クイズに於いてとことん自由であった。Cさんは堂々と御法度である"正解”を連発していく。間違いを期待していた出題者はキツネに摘ままれたような微妙な面持ちとなった。その光景が幼い私にとっては随分と痛快に思えたのであった。

私たちを縛る見えない鎖。Cさんはソレを易々と解いて自由を謳歌していた。「ピサって10回言ってみて」「ピサ^10」「じゃあ、ココは?」「既に解散してる」「…」

ナナメ電柱は元からナナメだったわけじゃないんだ

ピサの斜塔の如くナナメっている電柱を眺めていると、ついつい昔のことを思い出してしまった。思えばピサの斜塔の上から鉄球を落とすという危険極まりない実験*1で知られるガリレオ・ガリレイも真実を知っているのにも関わらず、間違いを強要されたのだ。なんだか10回クイズの回答者のようだ。なんて。

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*1:実は創作?